2020年1月13日月曜日

岸辺の開放感と不安感──戸田公園

2019.12.14【埼玉県】

 今回から下町(隅田川・荒川に挟まれる地域周辺)を歩くつもりが、「どうせなら」と範囲が広がってしまい、落としどころが戸田公園に……


 埼玉県に降り立つのは久しぶりで、埼京線 戸田公園駅に漂うのんびりとした空気に、気持ちがゆるみます。
 駅の開業は国鉄時代の1985年で、快速停車駅の「倉庫と競艇の町」から「ベッドタウン」への転換にはまだ時間がかかりそうですが、のんびりする町の方が生活環境として魅力があるようにも。荒川下流 川口駅周辺のビル群は「ガツガツしすぎ」に見えます。
 タイムリーな話題として、相鉄・JR直通線 海老名駅〜川越駅間の運行が始まりましたが、目玉は2022年度開業予定の相鉄・東急直通線の新横浜駅直結ではないかと……(神奈川県の話題でスミマセン)


 戸田公園は、荒川の水を引いた戸田競艇場(ボートレース戸田)戸田漕艇場(ボート競技コース)、荒川河川敷グラウンド 等の総称。
 2枚上はコース東端の桟橋で、付近には国立スポーツ科学センターをはじめ、県、大学、実業団の艇庫が並び(上)、直線の水路が約2.5km続きます。
 競技に使用するボートは表面がツルツルのシャープなフォルムで、細身の艇で力一杯オールを漕ぐには、かなり体幹を鍛える必要がありそうです。


 ボート競技には、一人一本のオールを漕ぐスウィープと、二本のスカル種目があり、4人で漕ぐ種目には、スウィープ艇のフォア、スカル艇のクォドルプル(それぞれコックスの有無)があり、上はコックス有りのクォドルプル。
 映画・ドラマ「がんばっていきまっしょい」でも耳にした、コックスの「キャッチ(オールを水面に入れる)」「ロー(オールを漕ぎ切る)」の掛け声はとても鋭く、気合の入り方が違うと……
 右は、1964年東京オリンピックボート競技場の聖火台で(国立競技場の2/3の大きさ)、どちらも川口の鋳物工場で製作されたもの。


 ボートコースは1940年幻の東京オリンピックに向けて整備され、64年東京大会以来水を入れ替えていないため、夏場の水草刈取り〜回収が大変らしい(Tokyo2020の競技会場は海の森水上競技場)。
 台風被害時の水位は過去最高を記録(リンク先Youtube)しましたが、訪問時はおおむね利用可能の状態に。
 河川敷のグラウンドは豪雨時の水没が前提とされますが、日常的に利用する施設なので長引くと不便を感じるのも確かです。近頃の河川敷グラウンドは土(砂)の質まで管理されるため、復旧も早いように感じます。以前はしばらくドロドロでした……(上は荒川の水上スキー)

 戸田橋下流の河川敷にある赤羽ゴルフ倶楽部は復旧作業中(リンク先Youtube)ですが、施設・利用者側ともに前のめりなスタンスのようで、作業する隣のホールでプレーする姿が見られます。
 以前の荒川は付近で大きく蛇行しましたが、昭和初めに直線化され、川の名残とされる浮間ヶ池は都立浮間公園として整備されます(右)。現在の地図でも、東京都・埼玉県の境界が付近で東京側に食い込む様子が見て取れます。
 洪水対策や土地整備のため、流れを荒川と新河岸川に分割整備する堤防に守られますが、その堤防も安心ではないことを、周辺住民も感じはじめたのではないか……


追記──ゴーン(Ghone)被告国外逃亡

 「Ghone is gone」というゲーム登場の予告や、ヤマハが「楽器ケース入らないで」の注意喚起をしているように、「いくら偉くたって、悪そうな顔してたもの……」は、共通認識として定着したようです。
 金を払えば犯罪がまかり通り、逃げるが勝ちを放置していたのでは、この国に対する内外からの信頼が揺らぎます。